宝石の硬度とは?モース硬度1~10の宝石をランキングでご紹介
2024.06.30 40,931 View


11月の誕生石はどんな宝石?トパーズとシトリンについて詳しく解説
宝石・鉱物の硬さや傷つきにくさを分かりやすく数値化した「硬度」。今回は、どの宝石にどのくらいの硬度があるのかをランキング形式でご紹介します。身近なものの硬度もあわせて解説いたします...
宝石・鉱物の硬さや傷つきにくさを分かりやすく数値化した「硬度」。今回は、どの宝石にどのくらいの硬度があるのかをランキング形式でご紹介します。身近なものの硬度もあわせて解説いたしますので、是非参考にしてみてください。
目次
「硬度」とは宝石の硬さをランキング付けしたもの
「硬度」とは、鉱物の硬さを数値で表したもの。
主に宝石の硬さや傷つきにくさなどを測る目安として用いられます。
鉱物の硬度は、地球上の天然資源で最も硬いと言われるものから、人間の爪で簡単に傷つけられる柔らかいものまで様々。
硬度の数値が低い鉱物は柔らかく、数値が高い鉱物は硬く丈夫です。
硬度が高い宝石は様々な方法でお手入れができますが、硬度が低い宝石はお手入れも丁寧に行う必要があります。
お手持ちのジュエリーに使われている宝石の硬度を知り、正しいお手入れ方法でケアすることで、宝石の美しい姿をより長く楽しめます。
モース硬度、ビッカース硬度、ヌープ硬度について
鉱物の硬さを測る硬度には、以下の3通りの尺度があります。
- モース硬度
- ビッカース硬度
- ヌープ硬度
これら3つの硬度の違いは、測定方法や使用用途(宝石用・工業製品用 など)です。
モース硬度
19世紀初頭に考案されたモース硬度は、鉱物の傷つきにくさを測る数値です。
主に宝石やジュエリーで使用され、宝石やジュエリーの話題で「硬度」といえば、ほとんどの場合モース硬度を指します。
モース硬度は、1〜10の10段階で硬度を測定します。
硬度1が最も柔らかく、硬度10が最も硬い鉱物です。
モース硬度の測定には、基準となる10種類の鉱物を使用します。
10種類の鉱物をこすり合わせて、どちらが傷つきやすい鉱物かを判定します。
本記事では、宝石のモース硬度について解説します。
ビッカース硬度
ビッカース硬度は、押し込みに対する鉱物の強度を測る数値で、1921年に考案されました。
主に工業製品や工業用宝石などで使われています。
ビッカース硬度では、最小値(モース硬度における硬度1)を50として、60、140、200……と数値が大きくなる毎に硬度が上がります。
最大値(モース硬度における硬度10)は7,000で、モース硬度と同じく10段階に分類することができます。
ビッカース硬度の測定には、四角錐形の検査用ダイヤモンドを使用します。
検査石にダイヤモンドを押し当てて、検査石の表面についた四角形の痕の深さによって硬度を計測します。
ヌープ硬度
ヌープ硬度は、ビッカース硬度の科学的精度を上げた測定方法で、1939年に考案されました。
ビッカース硬度と同様に押し込みに対する鉱物の強度を測定します。
主に工業製品や工業用宝石などで使われています。
ヌープ硬度の特徴は、モース硬度やビッカース硬度より硬度の数値に幅があること。
16~30(モース硬度における硬度1)から6,000~8,500(モース硬度における硬度10)まで、細かく数値が振り分けられています。
ヌープ硬度の測定には、細長いひし形にカットされた検査用ダイヤモンドを使用します。
検査石にダイヤモンドを押し当てて、検査石の表面についた痕の深さによって硬度を計測します。
ビッカース硬度試験よりも押し込む力が弱いため、セラミックなど柔らかい鉱物も測定可能です。
身近なものの硬度
10段階ある硬度がどれくらいの硬さなのか、という点は宝石を触るだけでは少々分かりづらいものです。
ここからは、人間の爪と窓ガラスを例にして、それぞれの硬度の具体的な硬さを把握してみましょう。
「人間の爪」の硬度
硬度:2.5
柔らかく傷つきやすい人間の爪の硬度は2.5です。
硬度が2.5以下の宝石は、爪で簡単に傷がついてしまうため、取り扱いには注意が必要です。
「窓ガラス」の硬度
硬度:5
一見するとすごく硬そうに見える窓ガラスですが、実は意外と低めの硬度5です。
硬度5以上の硬い宝石で窓ガラスをこすると、窓ガラスに傷がついてしまいます。
硬度10の宝石:ダイヤモンド
地球上で最も硬い鉱物となる硬度10の宝石は、ダイヤモンドです。
ダイヤモンドの硬さは、他の宝石とは比較にならないレベルの傷つきにくさ。
「ダイヤモンドを加工するにはダイヤモンドで研磨するしか方法がない」と言われるほどで、たいていの金属・鉱物ではダイヤモンドに傷ひとつ付けることすらできません。
あまりの硬さゆえに、ダイヤモンドは硬度の低い他の宝石を傷つけてしまうことも。
ダイヤモンドのジュエリーを他の宝石のジュエリーと一緒に保管する場合は、宝石同士が接触しないような配慮が必要です。
その硬度の高さを利用して、ダイヤモンドはジュエリーや宝石としてだけでなく、工業用品にも用いられています。
工業用のダイヤモンドを最も身近に感じられるのは、街中にある歯医者さん。
歯を削る際に使う機械の先端に工業用ダイヤモンドが使われています。
また、ダイヤモンドは、硬度が高く傷つきにくいだけではなく、変質を起こしにくい丈夫な宝石としても知られています。
宝石によっては、直射日光に長時間当てたり薬品(アルコール除菌剤など)がかかったりすると石が変質してしまうものもあります。
しかし、ダイヤモンドは、直射日光や薬品の影響を受けにくいため、新品同様の輝きを半永久的に楽しめるのです。
硬度9の宝石:ルビー、サファイア
硬度9の宝石としては、ルビーやサファイアなどがあります。
ルビーとサファイアはどちらもコランダムという鉱物で、宝石の色味によってルビーやサファイアに分類されます。
ルビーやサファイアは、ダイヤモンドほどではありませんが硬度が高く非常に傷つきにくい宝石です。
そのため、ダイヤモンドと同様に、その硬度を利用して工業用製品のパーツとして使われることもあります。
たとえば、透明度が高いサファイアは、腕時計のカバーガラスやスマートフォンのカメラレンズなどに使用されています。
硬度8の宝石:トパーズ、スピネルなど
硬度8の宝石は、主に以下のような種類があります。
- トパーズ
- スピネル
- アレキサンドライト
- クリソベリル(キャッツアイ)
トパーズとクリソベリルは、共に誕生石(11月と2月)として知られるカラーストーンです。
三大希少石にも挙げられるアレキサンドライトは、自然光と人工灯では違う色に見える多色性という性質を持っています。
綺麗な紅色をしたスピネルは、かつてルビーやサファイアと混同されていたという歴史があります。
硬度8のこれらの宝石は、紙やすりでこすっても無傷でいられるほどの傷つきにくさを誇ります。
ただし、トパーズは耐衝撃性が低くなるへき開性という性質を持っているため、床に落とすとヒビ割れや欠けが起こる可能性があります。
ここまでご紹介した硬度(硬度10〜硬度8)の宝石は、すべて人間の歯(硬度7)以上の硬さです。
これらの宝石を歯で噛むと歯が欠けます。
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硬度7の宝石:クォーツ、エメラルドなど
硬度7の宝石は、主に以下のような種類があります。
- クォーツ
- エメラルド
- ガーネット
- トルマリン
クォーツは、いわゆる水晶のこと。
パワーストーンで有名な無色透明の水晶のほか、2月の誕生石であるアメジスト(紫水晶)などもクォーツの一種です。
緑色をしたエメラルドは、ベリル系の宝石です。
ベリル系で硬度7の宝石には、アクアマリンなども含まれます。
ガーネットは、深紅色をしたカラーストーンで、1月の誕生石としても知られます。
ガーネットは紙やすりの研磨材にも使われているため、硬度7の宝石は紙やすりと同程度の傷つきにくさと言えるでしょう。
ただし、エメラルドは原石の状態でもヒビや内包物が多く、強い衝撃が加わると割れや欠けが起こる可能性があります。
また、宝石の分類としてよく見られる貴石・半貴石は、硬度7を基準にして分けられることが多いです(国や文化によって多少の違いはあります)。
硬度7以上の宝石は「貴石」、硬度7未満の宝石は「半貴石」に分類されます。
硬度6の宝石:ペリドットなど

硬度6の宝石は、主に以下のような種類があります。
- ペリドット
- タンザナイト
- ムーンストーン
8月の誕生石として知られるペリドットは、黄緑色が美しいカラーストーンです。
タンザナイトは青紫色をした宝石(12月の誕生石)で、限られた地域でのみ産出される希少石としても知られています。
ムーンストーンはパワーストーンとしても人気で、半透明から不透明まで幅広いカラーバリエーションがあります。
硬度6のこれらの宝石は、ナイフ(硬度5.5)で傷を付けることはできませんが、鉄の釘(硬度6.5)で擦ると傷がつく可能性があります。
硬度5の宝石:オパールなど
硬度5の宝石は、主に以下のような種類があります。
- オパール
- ラピスラズリ
- ターコイズ
ラピスラズリとターコイズは共に12月の誕生石で、どちらもツヤ感のある半透明〜不透明の石色をしています。
オパールは、10月の誕生石としても知られる虹色の宝石で、角度により色味が変化する「遊色効果」という性質を持っています。
これらの宝石が分類される硬度5は、ナイフで傷がついてしまう可能性がある、少し傷つきやすい硬度です。
中でも、ラピスラズリとターコイズに関しては、硬度の低さに加えて、宝石表面に無数の小さな穴が開いた多孔質という性質があります。
そのため、ジュエリー用の超音波洗浄機は使用できません。
硬度4の宝石:真珠(パール)
6月の誕生石としても知られる真珠(パール)は硬度2.5〜4です。
真珠1個ずつの硬度に幅がありますが、いずれの真珠もたいていの宝石より柔らかく傷つきやすい性質を持っています。
真珠の真贋を見極める方法として「歯に真珠を当てた感触で判断する」というものがありますが、硬度の観点では決しておすすめできません。
人間の歯の硬度は真珠よりはるかに高いため、歯を当てるだけでも簡単に傷をつけられます。
硬度3の宝石:珊瑚(コーラル)
日本が世界的な産地となっている珊瑚(コーラル)は硬度3です。
深海に生息するサンゴを加工した宝石で、3月の誕生石としても知られています。
珊瑚を人間の爪で傷つけることはできませんが、硬度3.5の10円玉でこすれば簡単に傷つけることができます。
ちなみに、硬度3のその他の宝石としては、家具・壁の装飾に使われる大理石などがあります。
硬度2の宝石:琥珀(アンバー)
琥珀(アンバー)は硬度2です。
硬度2.5の人間の爪よりわずかに傷つきやすいため、琥珀のジュエリーに爪を立てると傷がついてしまう可能性があります。
琥珀(アンバー)は、古代樹の樹液が長い年月を経て固まった樹脂の化石です。
そのため、琥珀の中に気泡や植物、虫といった異物が混入しているものもあります。
内包物の種類によっては、古生物学的な価値の高い標本として扱われます。
ちなみに、硬度2のその他の宝石としては、彫刻や型取りなどに使われる石膏などがあります。
硬度1の宝石:タルク
最も柔らかく傷つきやすい硬度1の宝石には、タルクがあります。
人間の爪より硬度が低いため、爪を立てるだけで簡単に傷つけることができます。
タルクは「滑石(かっせき)」とも呼ばれ、かつてはチョークの原料にもなっていました。
現在は、船の防さび材や化粧品(ベビーパウダー)などの原料としても使われています。
硬度に差がある宝石を楽しむ時のポイント
ここまで述べてきたように、宝石にはモース硬度10から1まで幅広い硬度のものが存在します。
お手持ちのジュエリーだけでも、おそらく様々な硬度の宝石が使われているのではないでしょうか。
複数のジュエリーをまとめて保管する場合、硬度の高い宝石と硬度の低い宝石を一緒に収納するのは避けましょう。
硬度に差のある宝石が接触すると、硬度の低い宝石に傷がついてしまう可能性があります。
仕切りで区切ったり布に包んだりなど、宝石同士が接触しない工夫が必要です。
また、ジュエリーの重ねづけを楽しむ場合には、硬度に差のある宝石同士が接触しないコーディネートがおすすめです。
宝石の硬度を知ってジュエリーのお手入れに役立てましょう
ここまで、宝石の硬度について解説しました。
地球上には、硬度10のダイヤモンドから硬度1のタルクまで、幅広い硬度の宝石が存在しています。
お手持ちのジュエリーや宝石の硬度を把握することで、宝石の正しいお手入れ方法や保管方法を知ることができます。
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